辛すぎる現実
なぜ腸穿孔を起こしてしまったか先生から教えてもらいました。
抗がん剤の影響で免疫力が急激に低下。
急性感染性腸炎になり、そのバイ菌が全身に周り敗血症に。
腸炎がひどくて点滴や全身の水分を全部腸が吸収してしまい
腸浮腫がひどく、腸穿孔へと悪循環をしてしまったようです。
抗がん剤は本当に怖い。
こんなに体にダメージを与えてきた。
この勢いで白血病細胞がゼロになればいいのに。
こんなに頑張ったあと、全身が落ち着いたころ
また抗がん剤治療なんて考えられません。
辛すぎます。
どうかどうか白血病細胞がゼロになっていますように。
病院からの電話は恐怖
今日も長い1日はじまりました。
人工呼吸器を装着しながらの大手術に耐えた奇跡。
今日がまた一緒に迎えれています。
すごく幸せなこと。病気になったことは、不運だけど、病気のおかげで
1日1日が本当に大切に感じられます。
手術で昨日たくさん体力を使い、疲れきったのか、ずっと寝てる日が続きました。
数日が経過し、血圧が不安定になり、また透析を回し出しました。
なかなかお腹の腫れもひかず、今は、ゆっくりと待つしかない。
でも昨日、手術で今日は落ち着いてることは事実。一安心してもいいんですよね。
病院からの電話。家族にとっては恐怖のなにものでもない。
お父さんは、『心臓が破裂してまいそうや』と言ってたそうです。
最初のころ、一度、夜中一時に病院から電話がかかってきて、
その電話は、私の急変を知らせる電話だったようです。
それから、電話があると私に何かあったんかとみんながハラハラ状態。
不思議な現象
お母さんが病室の窓から空を眺めてたら『白い鳥』が横切りました。
なんか応援してくれてるような気がしたそうです。
あと、病院へ向かうときに車に乗ろうとしたら
『赤とんぼ』がお母さんの車まわりを飛んでいたそうです。
そして駐車場から病院まで歩いてたら
『黄色のモンシロチョウ』がそばを飛んでくれそうです。
なんとなく私が『昨日、手術頑張ってんでっ』って伝えてくれてる気がしたそうです。
不思議なことがたくさんありました。
少しずつ回復
血圧安定、尿量も確保できている。昨日の夜から透析がはずされてました。
シリンジポンプで、プロポフォール(麻酔薬)、フェンタニル(麻酔用鎮痛剤)
ミタゾラム(麻酔薬)、ラシックス(利尿剤)が投与されています。
腹部手術後なので、いらない血液や浸出液をだすためにドレナージドレーンが三本挿入されている。
あとは、MAP(輸血)、FFP(血小板)、バンコマイシン(抗生剤) が末梢静脈から、
フルカリック(高カロリー輸液)が鼠径CVから投与。
術後二日目とは思えないほど、全身状態は落ち着いていました。
血圧110から120台、心拍数110台、呼吸器装着SPO2 100パーセント。
このまま順調に回復してくれますように。
アラームが私の声
約9日間ずっと人工呼吸器を装着しています。
私の声がみんなに届かなくなって9日経ちました。
人工呼吸器のモードは、SIMV- 同期的間欠的強制呼吸
患者の呼吸努力を検知するとPSにて換気補助し、
一定時間以上それが無い場合には強制換気します。
呼吸不全の患者に対する一般的な換気法です。
家族が私に話しかけると、私は一生懸命話そうとするので、
呼吸器のアラームが鳴ります。
私が言葉を出せない代わりに呼吸器のアラームが鳴ります。
私はきっときっと頑張って一生懸命反応したのです。
白血球戻ってきて欲しい
実際、人工呼吸器を装着している患者さんは何人もみてきましたが、
自分が呼吸器装着になって、家族にとってはこんなささいな反応でも
嬉しいものだということがわかりました。
看護師で働く中で、自分が看護師としてできることはななにか。
本当に大切なことは何なのか。
患者の家族の気持ち。家族の気持ち。
身をもって、さまざまなことを学べた自分がいます。
日中37.6℃、夜39℃の高体温。心拍数も高体温のせいで140台。
体中の炎症部位に成熟好中球がたくさん集まっているので、
今はひたすら抗生剤で炎症を抑えて白血球が増えてくるまで頑張らないと!
高体温で心拍数が増えて、心臓の体力が心配です。
わたしの心臓は若いから、きっと大丈夫。きっときっと大丈夫。
白血球さん、はやく私の体に戻ってきてください。
入院期間一カ月経過
入院してから約1ヶ月が経ちました。
抗がん剤治療から始まり、三倍もの副作用
発熱、腸炎、一過性ショック、呼吸困難、痙攣
そして輸血、人工呼吸器装着、透析、腸穿孔、開腹手術。
私の体には想像を絶するような
さまざまなことが起こりました。
あとから聞いただけでも震えてきます。
あたしは現実を理解するのに精一杯です。
本当に本当に私頑張ったと思います。
だれかに褒めて欲しいわけじゃありませんが、頑張りました。
家族は、面会のときいつも頭をなでなでしてくれました。
そして『本当に頑張ったね。本当にありがとう。』と言ってくれました。
『でも、頑張ろうね。』とも言ってくれました。
過酷なことを言っている家族。でも愛があるからこそ生きて欲しいって思えるんですよね。
順調
十分頑張ってることも理解してくれている。
あと少しここを乗り越えてたい。お願い。
入院生活1ヶ月が経ちました。
私の声はまだみんなには届きません。もう二週間経ちました。
この1ヶ月本当に頑張りました。
ここ二週間は医師からの言葉は『正直、厳しいです』
『できるかぎりの治療はさせていただきますが』
『状態がとても不安定ですので、待ち合い室で待機してください』
聞きたくない言葉が毎日の飛びかっていたみたいです。
でも、今は医師からの言葉に『順調』と言うことばがあります。
心から嬉しいです。家族・主治医に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも見守っていて欲しい。