看護師の有給休暇の現状
有給休暇は本来いつでも消化できるものです。
ちゃんとした企業であれば、社員の権利として当たり前の認識です。
しかし、看護師で働いている中、人手不足という理由で
有給休暇を自由には使えない病院が多いです。
看護師として働いている友人もたくさんいますが、
有給休暇をしっかり利用できている人はいないと言っても過言ではありません。
以下は、本当に現在ある事実です。
希望休暇の決まり事
- 希望休暇の締切は一か月半前までに申請する
- 希望休暇は3日のみ申請できる
- 同日に3人までしか休めない
- 夜勤の日程の希望は申請できない
- 有給休暇は希望できない
このような決まり事により、希望が通らないのが現状です。
退職する際も有給休暇は消化できず、30日も残し退職へ。
週休二日なので、有給休暇を消化できたとしたなら、約二か月は休めます。
しかし、現実は人手不足を理由に取得できないまま退職へ。
もちろん有給休暇がいくら余っていたとしても、お金にも代えてくれません。
有給休暇という名目があるだけなのです。
ある看護師が、退職の三か月前に科長や看護部長に言いました。
「家庭の事情もあり、引っ越しや手続きで忙しくなるので、
退職前に有給休暇を消化させてください。」
管理職は言いました。
「今まで何十年とそんなことしてなかったのに、あなただけ特別扱いはできません。」
そのまま有給休暇無消化で、新しい環境準備も少ない休みになんとかこなし退職されました。
このような現実は、あってはならない現実だと思います。
当たり前のように風習みたいになっているので、言いにくい環境でもあります。
勇気を出して訴えても、上記のような対応でした。
有給休暇はなんのためにあるのでしょうか。
有給休暇は、使わせてもらえないのなら全く意味がありません。
どうすれば看護師は有給休暇が取れるか
病棟の現状として、スタッフ不足、特にリーダーができるスタッフ不足は避けなければなりません。
経験年数を均等になるようにシフトを組んだりしているという事情があるので、
退職することを言い出しづらいですし、ましてや退職までに有給休暇を
消化したいなんて言える状況ではありません。
ですが、有給休暇は社員としての当然の義務だと思います。
私は有給休暇を消化したいときに言い出しづらかったので、
労基に電話し、すべての病棟の事情を話し、
どうすれば有給休暇をとれるのかを相談してみました。
すると次のようなアドバイスをいただきました。
有給休暇の時期を明確にする
例)2、3月で10日分の有給休暇を消費したいのです。
退職前、全部の有給休暇を消費するつもりはないことをアピールする
そうすることで、管理者は「なるべく消化させてあげたい」という気持ちになる。
どうしても有給休暇を消化したい場合は、労基の相談室に直接相談をする
労基が、法律上有給休暇の取得の権利があることを病院に伝えてくれる。
この場合、個人名の提示が必要になる。
結局最後は、管理者との個人面談で決めることになる。
病院側としては、労基が入ってくることによって
社員の権利の意識は高くなり、取得しやすくなります。
実際としては、
- 今までお世話になった科長やスタッフに迷惑をかけれない。
- 看護職は、狭い世界だから円満に退職したい。
- 今の現状を知っているからこそ言えない。
そんな思いで、結局、有給休暇を30日〜40日未消化のままで退職するというのが、
半数以上の看護師の現状です。
未消化の有給休暇を給料へ換算する、という義務は病院側にありません。
看護師平均の時給が2000円と考えると
時給2000×8時間×40日
なんと64万円も損をすることになります。
また別の視点で考えると、週休二日で計算すると
約二か月以上タダ働きとなります。
このような現状が許されているから、言いにくい風潮にあるのです。
年に何百人と離職する看護師の有給休暇が未消化の現実があるので、
この件だけで考えても病院が黒字なのは当然です。
ここまでしても有給休暇が取れないことがありますが、
その時は諦めるしかありません。
もし転職をして別の病院で働くのでしたら、転職の際には
有給休暇の消化率も情報としてしっかり調べてもらうべきです。
有給休暇の扱いがひどい病院も多いと思います。
転職求人サイトから他の病院の有給休暇の扱いなどの内部事情が聞けますので、
情報収集のために1つでも必ず登録しておきましょう。
有給休暇をしっかり取れる病院が見つかるはずです。
転職後の病院で、同じようなことが起こらないことを祈ります。